< 日本整形外科学会 インプラント委員会 >
インプラント・データシステム委員会議事録からの抜粋
- インプラント委員会では、人工関節の摘出理由について調査中であり、200例が目標だが現在までに178例集まった。手術手技の問題を避けるため大病院だけ5施設の事例を集めている。人工骨頭が28例、内女性20例で、これらの摘出理由の殆どは骨粗鬆症による
aseptic looseningであった。股関節が131例と多く、その殆どが小児時の先天性疾患のため成人になって2次性関節症になった例である。内108例が女性で、平均年齢は51歳であった。若く活動性があるため、PEが摩耗するか、ルーズニングを起こす。内93例は
aseptic looseningであり、PEの摩耗片が引き金となるphagocyteの活動などによって骨融解を起こしていた。膝関節は19例しか集まっておらず、数が少ないため最近の例も入れて集計している。膝関節置換は、変形性膝関節症かリウマチが原因であり、今回の平均年齢は64歳であった。高齢のため再手術をする例も少ない。しかし、19例中、11例でインプラントの破損が起こっており、用具の不具合である可能性もある。さらに症例を集めて検討している。
(H14.12.24)
- 人工関節の摘出理由について調査中であり、200例を目標に集めている。手術手技を考慮して大病院だけ5施設の事例を集めている。また、前回、骨補填材料の合併症について指摘したところ、厚生労働省の協力が得られた。材料の目的部位からの移動例、感染例があり、今後の対策を検討中である。脊椎インプラントについては、固定材が多用されており、遠隔期の成績について調べている。また、その破損例についても検討を開始する。なお、整形外科学会での安全性情報報告制度の周知についても努力したい。また、学会でインプラントデータシステムの重要性を宣伝するために教育講演を準備している。 (H14.7.30)
- 整形外科インプラント委員会では、4月の医療報酬制度の改定に伴って、摘要拡大、医療費拡大が懸念されている。器具の貸出料の開始に関しても困難な問題がある。また、ハイドロキシアパタイト用具の不適切な摘要(骨粗鬆症に使用して脊髄圧迫を引き起こす例など)が懸念されている。 (H14.3.22)
- 今年末までの3年間に渡る摘出インプラント(人工膝・股関節)の状況を10施設に依頼して調査している。内容は、症例のバックグラウンド、摘出理由、摘出インプラントの状況(破損、摩耗、セメント使用の有無、モデル名など)である。 (H13.12.3)
- 骨セメントの整形外科学会でのアンケート調査について、同問題での記者会見の状況と共に、内容を紹介した。今年度は、手術手技の均一性を考慮して多くの股・膝関節手術を行っている十施設程度を選んで、用具と患者、不具合についてデータを集めている。人工関節は種類が多いため、全てを追跡するのは難しいが、種類を限れば可能性は無いわけではない。その際、個々の用具にラベルを付け、カルテ、患者カードなどにも添付できるようになれば、より容易になると思われる。(H13.8.24)