平成17年度第1回ISO/TC194国内委員会議事録
日時:平成17年4月5日 14:00 - 17:00
場所:食糧会館
参加者:土屋(委員長)、千秋、小木、橋本、小泉、森、岸田、松岡、中岡、田中、今井(清)、高島、金澤、上野、中村(事務局長)、黒澤、小林、佐藤(秀)、中田、大橋、坂口、五十嵐、名本、米山、福田、鈴木
議事:
1.決定事項
- ア)DAmD案件について:以下の3件のDAmD(Draft Amendment)の投票方針を決定した。
- DAmD1 10993-10 Tests for irritation and delayed-type hypersensitivity 賛成(コメントなし)
- DAmD1 10993-4 Selection of tests for interaction with blood 賛成(コメントなし)
- DAmD1 10993-12 Sample preparation and reference materials 継続審議(さらに、国内委員会MLを通じて審議し、決定することとした。)
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- イ)FDIS案件について:下記のFDIS案件の投票方針を決定した。
- FDIS 10993-18 Chemical characterization of materials 賛成(コメントなし)
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- なお、ア)-a), -b)およびイ)については、決定された方針に従って、4月6日にe-JISCを通じて投票を済ませた(事務局)。
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- ウ)3rd WD 10993-1: Evaluation and testing within a risk management process について (コメント提出期限:4/15)
- はじめに、委員長から「日本から提出された2nd WDへのコメントはほぼ3rd WDに反映されている」旨の逐条説明があった。次に、事務局長から、2nd WDに対するUSコメントに基づいた修正部分に関する説明があり、「パート2以下の個別文書における記述と矛盾するものがある。個別パートの記述をベースとすべきではないか」との意見が出された。まず、コメント案を事務局長が作成し、ML上で審議の上、コメントを提出することとされた。(その後、ML上での討議の後、4月15日に土屋委員長がコメントを送付した。)
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- エ)CD 30993 Terminology について
- 事務局長から、「このスタンダードは、TC194が関与してきたISO 10993 および ISO 14155 シリーズの各文書中の定義をまとめたものである。日本は前回、10993シリーズのみを対象とすべきだとの意見を提出したが、そうなってはいない。今後、SC1が作成中の22442シリーズをも含めるかどうかも問題となろう。」との説明があった。上野委員から、「WG4では、改めて臨床試験に関するterminologyについてのスタンダードをつくるかどうかが話題に上っている。」と報告された。30993 の内容については、事務局長がチェックした上で委員長と相談し、方針をMLを通じて提案することとされた。
2.分科会
分科会に分かれて、以下の討議を行った。
2.1 WG5 / WG6 (田中、松岡リーダー)
- WG5関連:先のトロムソ会議において、Neutral red assay およびColony assay のプロトコルをISO 10993-5
のAnnexとして加えること、そのために国際round-robin testを実施することが決められたが、まだ動き出していない。次回ユトレヒト会議で提案を行い、日本がそのイニシャティブをとる方向を確認した。
- WG6関連:ISO 10993-3:2003のAnnex"抽出方法の選択"の原案を日本から提出することになっている。田中、松岡、中村で、その原案を早急に練ることとした。
2.2 WG7(坂口リーダー)
- DIS 10993-11 Tests for systemic toxicity には、"賛成"とした。なお、これがISOとなった時点で、国内GLに適用するためのガイダンスをつくる必要があると考える。
- DTS 10993-20 Principles and methods for immunotoxicology testing of medical
devices には、賛成の方向とする。なお、ICHの免疫毒性ガイドラインと対比し基本的な考え方に相違がないことを確認したが、免疫毒性試験実施以前に実施される全身毒性試験(ICHで「標準的毒性試験」と称される試験)の位置づけや評価すべき項目が本DTSでは不明確であるので、フローチャートの改訂を含め、コメントしたほうが良いとの意見が出された。案を作ってMLに提示することとした。
2.3 WG10 / WG14 (米山、岸田リーダー)
- WG10関連:DIS 10993-6 Tests for local effects after implantation について:本文には大略問題はないと考えるが、皮下、筋肉内、骨埋植試験方法に関するAnnex
B, C, D (normative) において、サンプルのサイズがrigidに記述されている点がひっかかる。いつもこの通りに試験できるとは限らない、という意見が出された。この点を解決するためには、1)
これらのAnnexをinformativeとするか;2) Normativeのままで "The following dimensions
of the specimen shall be considered." のような文章を付け加える、やり方があろう。賛成/反対の態度も含めて、さらに担当者の間で審議して最終決定を行うこととした。(5月9日に、コメントつき反対とすることを決定した。)
- WG14関連:DTS 10993-19 Physico-chemical, morphological and topological characterization
of materials について:この課題について、ISOではなくTechnical Specification を作成することには賛成である。しかし、内容が偏っている感が強いので、もっと必要な情報を追加するなどして、より良いものにするべきである。なお、ナノ粒子の問題をこの中に含めると複雑になりすぎ、文書としても拡散してしまう可能性があるので、削除すべきではないか。岸田、中岡が中心となってコメントをまとめることとした。
3.報告
3.1 国際会議報告
- ア)SC1ロックヴィル会議
- 黒澤、岸田、中岡の各委員より、別に掲載した報告書(SC1ロックヴィル会議0503報告)に沿って報告された。詳細は当該報告(議事録を含む)を参照のこと。なお、SC1会議は本年6月のユトレヒト総会では開催せず、2006年3月20日〜24日の間に召集されることになっている。
- イ)WG4ベルリン会議
- 上野委員より、別に掲載した報告書(WG4ベルリン会議0502報告)に沿って報告された。詳細は当該報告を参照のこと。なお、改訂作業にむけて新たに設けられた5つのサブグループは、6月末のユトレヒト総会にむけて作業を開始しているとのことである。
3.2 投票報告
- ア)CD 10993-7 Ethylene oxide sterilization residuals について
- 中橋リーダーに代わって中村から、作業委員会(05.03.24)検討結果とCD投票実行(05.03.30)の報告があった。"TCL (Tolerable
Contact Limit)に関する項番号とタイトルを、surface contacting and implant devices すべてに適用されるように修正すること"が唯一の重要なコメントであり、"コメント付き賛成"として投票した旨の報告があった。
- イ)DIS 10993-2 Animal welfare requirements について
- 黒澤リーダーから、コメント付き反対として投票した(05.03.21)旨の報告があった。その理由は、1)動物実験は必要だという文章を入れるべきだ;2)群飼を義務づけるのは現実的ではない、である。
4.その他
- 土屋委員長から、ユトレヒト会議への日本からの現段階での参加予定者が報告され、より積極的な参加が要請された。
- また、本日の会議で態度やコメントが確定していない投票案件については、個別委員会またはML上で審議を継続することとし、改めて国内委員会は開催しないこととなった。