<ISO TC 194>
2010年度第1回国内委員会資料
2010.4.19
WG4
ISO DIS 14155.2の投票結果およびWG4会議(スイス)について(報告)
1.ISO DIS14155.2の投票結果について
- 投票締切り:2009年12月22日
- 投票結果:承認
- 常任国の賛成:16カ国/18カ国 (89%) ---必須要件66.66%以上
- 常任国の否決: 2カ国/20カ国 (10%) ---必須要件25%以下
(否決国は、ノルウェー、英国)
- コメント数:583件、うちEditorialが80%以上
2.WG4会議 (スイス) について
- 開催日:2010年2月23日〜26日
(編集会議:23〜24日、本会議:25〜26日)
- 会議場所:スイス標準化協会(SVN)、Winterthur、Switzerland(チューリッヒ郊外)
- 出席者:(コンヴィーナー:Danielle Giroud = ダニエル・ジロー)
- 編集会議:日本2名 (矢野・上野)、米国2名、欧州2名が参加
- 本会議:日本を含む11カ国、21名が参加
3.会議内容について
- 編集会議
- 583件に及ぶコメントを整理した。多くは編集上のコメントであったのでこれらは編集会議の責任でFDIS案への採否を決めて行った。
- その結果、本会議で議論すべき課題は次の3項目に絞り込まれた。
- ISO14155規格の適用範囲(Scope)
- 機器不具合(DISでは「苦情(Complaint)」)の定義と報告
- 有害事象 (Adverse Event) 分類のフローチャート (Annex F)
- なお、日本が指摘していた句読点の不整合・不統一については、ISOの基本ルールに基づいてコンヴィーナーが一括見直すことになった。
- 本会議
- 編集会議で本会議での審議・決定事項になった課題について次の通り決着した。いずれも日本のGCPとの整合には問題ないと考えられる。
- 規格の適用範囲について、欧州から「法規制目的のため」という限定をはずすべきという意見が出たが、日本が猛反対し結局原案通り残すことになった。
ただし、ISO14155に規定されている原理原則はすべての臨床試験において遵守されるべきである (‘should’) という文言が入った。
- 「機器の苦情 (complaint)」は「機器の不具合 (device deficiency)」に用語が改められた。規定の内容は変わっていない。
- Annex Fの「有害事象の分類決定フローチャート」について、各国から誤解を招くという意見が出されていた。議論の結果、日本からフローチャートに加えて、
有害事象の分類表を添付することを提案し、これが受け入れられた。
- 本会議ではFDIS編集会議案が最終的には承認されたが、次の事項について議論および反対意見があった(詳細は略)。
- Point of Enrollment (治験参加時点) の定義(3.32項)
- 誤使用(use error)の定義 (新3.43項)、’user error’は今後使わない
- Clinical evaluation (臨床評価、5.3項)
- Investigation site team(治験施設チーム)と名称変更
- 翻訳の正確性の担保(6.8.1項、8.2.2項)
- 「許容できないリスク(unacceptable risk)」発生に伴う治験の中断・中止 (7.1項)。
- Annex A 治験計画書 (CIP) とAnnex B治験機器概要書(IB)の記載項目の整理
- Annex E 必須文書の整理
4.今後の予定(目標スケジュールであり、現在調整中)
- 2010年4月14日:FDIS (案) の発出、FDISの投票スケジュールは現時点では未定
- 2011年3月15日頃まで:新ISO14155公布を目標
以上