ISO/TC194/WG2/WG14(ロックヴィル・米国)会議報告 期日:1998.1.12 - 1.14 場所:FDA/CDRH 参加者:Wolfgang Meyer-Ingold (Beiersdorf AG, Germany) Dieter Bendix (Boehringer Ingelheim, Germany) Erhard Mueller (Inst. fur Textiltechnik, Germany) Akio Kishida (Kagoshima Univ., Japan) Edward Wang (Howmedica, USA) Anita Sawyer (Cordis/J & J, USA) Donald F Gibbons (3M, USA) Edward P Mueller (Convener WG2, FDA, USA) Akitada Nakamura (NIHS, Japan) Eystein Ruyter (NIOM, Norway) Gary Fischman (Chief of Ceramic Group, FDA, USA) David Gott (MDA, UK) John Lang (Convener WG14, Smith & Nephew, UK) John Shaw (MDA, UK) Summer Barenberg (Bernard Technologies, USA) Kathleen Baran (3M, USA) Eric Claussen (Cobe BCT, Inc., USA) Brenda Seidman (Seidman Toxicol., USA) L Schroeder (FDA, USA) Katherine Ulman (Dow Corning, USA) Tove Rjaer (William Cook Europe, Denmark) James Racich (Seidman Toxicol., USA) Robert A. Condrate, Sr. (Alfred Univ., USA) Dave Gaisser (US Biomaterials, USA) Ronald Brown (FDA, USA)     Daniel E. McLain (Beckton Dickinson, USA) 議事 ○ CD 10993-14 Identification and quantification of degradation products from ceramics  #1 上記CDの投票結果は、賛成14、反対6、保留1、無回答4。  #2 この回答結果と付属コメントに基づいて修正を行い、再度、     CD投票に付すこととした。主な論点と修正点は以下の通り:  (1)試験(EXTREME TEST, SIMULATION TEST)の意義を明確にするために     4. TEST PROCEDUREに文書を追加した。      すなわち、EXTREME TESTは人体内で遭遇する低pHで溶出する可能性     を最大限想定したスクリーニング試験である。例えば、骨吸収の際に     クエン酸や乳酸環境がある。 他方、SIMULATION TESTは普通の生体内環境pHを想定したものである。      両試験ともに、粉末状およびディスク状の試料を用いて試験を行う。     また、場合によっては、CERAMICS COATINGを施した試料も用いる。  (2)この意義と試料/試験液量比を簡単に理解するために、FLOW CHARTを     挿入した。  (3)EXTREME TESTの試験液として、クエン酸緩衝液を用いているが、     歯科材料領域では(例:ISO 9693; ISO 6872)、酢酸緩衝液を採用して     いる。歯科材料の場合と骨インプラントでは生体環境が異なるので、     種々の議論のすえ、歯科領域のISOをNORMATIVE REFERENCESに加え、     しかし、本文ではクエン酸緩衝液を変更せずにおくこととした。     会議に歯科領域の参加者がいなかったので、再度、CDとして投票にかけ     るべきである、とされた。  (4)引用されたASTM STANDARDSについては、参考である旨の常套句を挿入     した。  (5)5.2 Sensitivity of the Analysis Methodを英国および日本のコメント     に従って、全面的に修正した。また、毒性リスク評価との関連性を明確     にするため、DIS 14538を引用することとした。  (6)X-RAY DIFFRACTIONと表面積測定の標準方法を付け加えた。  (7)その他、字句の修正などを行った。 ○ DIS 10993-13 IDENTIFICATION AND QUANTIFICATION OF DEGRADATION   PRODUCTS FROM POLYMERIC MEDICAL DEVICES  #1 上記DISの投票結果は、賛成21、反対2、棄権2、無回答1。  #2 この回答結果と付属コメントに基づいて修正を行い、FDISとして      再度投票に付すこととした。主な論点と修正点は以下の通り:  (1)Scope 本ドキュメントの目的を明確にするために加筆修正を行った。 すなわち、対象となるマテリアルに骨セメントや歯科用充填剤などの Ready to useの状態でpolymerでないものも 含めることを明記した。 関連するDefinitionの項(3.3)も修正した。 また、得られたデータは生物学的評価に供せらるる旨を明記した。  (2) 4. Degradation test methods 4.1 General accelelated test と real-time test の関係を明確にするための 加筆修正を行った。  (3) 4.1.3.1 Test Solutions 表現の統一を期した。Fenton試薬に関して疑問を呈するコメントが 多かったことから、必ずしもこれに限定するわけではなく、使用した Solutionの必要性、特性を記述すれば他のsolutionの使用が 可能であることを明確に示した。  (4) 4.2 Accelerated degradation test 4.2.2 Test Periods 原文では2、60日の試験期間が義務づけられていたが、短期間で 分解してしまうデバイスについて意義がない、との意見を受けて 30日以上の使用が該当するものについて2、60日間、 30日以内の使用が回答するものについては2、7日間の試験期間と する事に変更した。  (5) 4.3 Real time degradation test 4.3.2 test period 4.2.2と同様に長期、短期の使用期間の2つについてそれぞれの 試験期間を設定した。  (6)Table 1 フローチャートの最下段のBOX内の記述を具体的なものに変更した。  (7)5.General Test procedures accelerated test, real-time test両者ともに、Evaluationの段階での 指示を明確にした。例えば、5.2.4.1 CASE1(No/No)加速試験で 重量変化もpolymerの分子量変化もない場合にも状況に応じて ISO/DIS10993-9に沿った評価を行う必要がある旨を記載した。 (Note)  (8)AnnexBは2.Normative referencesで代替可能ということで削除した。  (9)その他、字句の修正などを行った。 ○ CD 10993-18 CHARACTERIZATION OF MATERIALS  #1 投票結果は、賛成8(豪、ベルギー、独、韓、ポーランド、スウエーデ ン、ノルウエー)、反対3(日本、英、デンマーク)、他は無回答  #2 議論は、専ら「この文書の目的は何か」に終始した。すなわち、「生物 学的評価との関連からMATERIAL CHARACTERIZATION が必要であり」、その必要性 は「PART 1: EVALUATION AND TESTING, ANNEX C: FLOW CHARTに基づいている」 点では一致したが、文書化の戦略(どのようなスタンダードをまず作るべきか)に ついての認識がなかなか一致しなかった。  Don Gibbons (3M)は、「chemical characterization、しかも溶出物に関連した characterizationに焦点を絞ること」を主張した。Nakamuraは、「種々の方法 (material master fileも含めた)を組み合わせた材料の同等性評価を目的とす べきだ」と主張した。特に、ヨーロッパからの参加者、あるいは、国際企業から の参加者は、材料供給企業からの情報開示に限度があることと、自己責任で材料 の毒性学的安全性を立証する必要性(EUのポリシー)から、あまり一般的な記述 を歓迎しないように感じた。  また、どのような材料の生物学的評価を課題とすべきかについても対立があっ た。Don Gibbonsは専ら「化学物質の毒性をまず問題とすべきだ」と主張し、中村 は「表面性状もからんだ局所影響がmedical device toxicologyの主要課題だから、 溶出物質だけに焦点を絞るのには反対」と主張した。  このような経過を経て、一応、以下のコンセンサスを得た:  (1)まず、toxicological safetyに関連したchemical characterizationにつ いてのスタンダードを作る;  (2)biological evaluation総体との関連でどのようなmaterial characterizationのスタンダードを作るかの戦略は、WG15ないしはCONVENERS' MEETINGに諮る。  上記(1)の事項は、ストックホルム会議(1996)においてMel Stratmeyer(FDA) から発表されたFDA paradigmと密接に関連するので、残留物の基準に関するDIS 14538も頭におきつつ、スタンダードの目的や利用を煮詰めていく必要があろう。