TC 198及びTC 198/WG 9の活動状況について(2019年)

( 過去の活動状況は以下をクリックしてください。2018年2017年2015年2014年。)

TC 198 “Sterilization of health care products”(ISOのページへ)
  1990年設立
  議長:Mr. Richard. Bancroft (英国)、幹事国:米国
  参加国:日本、米国、ドイツ、英国、フランス、韓国等 (P-member 31ヶ国)
       オブザーバー参加国(O-member) 25ヶ国
  国内審議団体:(一社)日本医療機器学会
  発行IS:54、討議案件:18

討議内容:
 医用材料及び医療機器のみならず、health care product(薬事法対象外の製品も含まれる可能性)の滅菌に関する標準化を討議するTC。このTCは、これまでに50の国際規格を作成している。SCは存在せず、14のWGで規格作成を行っている。そのうち、WG 9 “Aseptic processing”において、再生医療製品の無菌製造プロセスに関する規格作成が進行している。このTCは、国内委員会に準ずる組織もWG毎に設立されており、TCの国内委員会はそれらWGの活動状況報告の場となっている様子。作業範囲には滅菌施設に関する規格も含まれるので、国内委員は必ずしも医療機器関連企業や団体、研究所に所属している訳ではない。

 TC 198/WG 9 “Aseptic processing”

 このWGでも、国内委員会WG主査は製薬会社所属。他のメンバー一部も、瓶への充填機器やフィルターの製造企業から参加している。
 もともと、アイソレーター等の国際標準化が議論されていたが、現在、このWGで再生医療に関連した国際規格作成が進んでいる。もともと、日本が再生医療製品の製造を念頭において、製造機器等の無菌接続ガイドラインの国際規格作成を提案していたが、これはアイソレーターの規格(ISO 13408-6)に含めることになった。再生医療製品に関する規格は、Part 8としてAseptic processingの一規格とするつもりが、細胞そのものは「無菌」とは考え難いので外因性の汚染を予防するための規格として「細胞を含む製品の無菌処理」を対象にしたものが別立てで討議されていた。新規WGを設立せずこのWGで扱うことになったのは、基本的な内容が「無菌操作」であることが主な理由である模様。
 (「細胞を含む製品」を除いたものはPart 8として成立する模様)
 作業は順調に進み、上記提案はタイトルを“ISO 18362 Manufacture of cell-based health care products -- Control of microbial risks during processing”と修正した上で、2016年初めに国際標準として発行された。

 2017年に提案された再生医療と関連する可能性がある標準案 “Sterilization of healthcare products -- Microbiological Methods-- Guidance on conducting bioburden determinations and tests of sterility for tissue-based products” は、現在2nd DTSとして投票が行われている。生きた細胞や組織等を利用した製品にも適用可能な清浄度評価(Tests for sterility)のためのガイダンスとなっているが、実際に適用可能な手法であるかはもう少し内容を検証する必要がある。なお、検出対象はバクテリアや芽胞となっている。

Last update 2020.03.17
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