TC 276の活動状況について(2016年)
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TC 276 “Biotechnology” (ISOのページへ)
2013年設立
議長:Mr. Richard Gent(ドイツ)、幹事国:ドイツ
参加国:日本、米国、ドイツ、英国、フランス、韓国等 (P-member 24ヶ国)
オブザーバー参加国(O-member) 12ヶ国
国内審議団体:(一社)再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)
討議内容:
もともとは、分析技術や各種omics分析法に関する標準化のために設立されたTC。現在、TC 276内に4つのtask forceが立ち上がり、「用語」、「バイオバンクシステム」、「分析方法」、「生物学的製造プロセス」に関する標準化を行うことになった。本来、再生医療製品を扱うTCではなかったが、経産省の意向を受けてFIRMが国内審議団体となり、再生医療分野の標準化を試みている。
「生物学的製造プロセス」では、FIRMが中心となって再生医療等製品の製造に必要な周辺技術の標準化を試みることとなった。しかしながら、その作業はTC
276の業務範囲外と判断されうると同時に、ISO内で業務の重複は認められないという基本原則にも反することになる。とりわけ、上記TC 150/SC
7が日本提案で設立されたにも関わらず、別TCで再生医療分野の標準化を試みるグループがあるのは日本の戦略としては矛盾しており、国際的に再生医療分野の標準化をリードするためには障害となりうる。そのため、FIRMを含め上記TCの国内審議団体間で連携を取ること、国策として再生医療分野をリードしていくため省庁間の垣根を越えた連携も不可欠というコンセンサスを国内キーメンバー間で共有して、実際に連携しながら活動を行っている。。
その結果、FIRMがTC 276で標準化を検討していた分野は「用語」、「製造プロセス」、「加工装置」、「培地等の消耗材」であったが、「用語」に関しては関連TCの共通規格としての作成をTC 150/SC 7で行うことで国内関係者の意見がまとまり、FIRMはその活動に協力することになった。
また、「加工装置」に関してはTC 198/WG 9との連携が必要であること、製造プロセスに関しては薬事法改正に伴う下部省令、通知等による再生医療等製品国内規制の詳細な具体像が見えてきつつあるが、まだ産官の間にあるギャップがあることから、これらの標準化を進めるためには関連機関との調整等に要する時間が必要だと考えられる
2016年の活動状況:
TC 276は年2回のペースで総会、あるいはそれに準ずる会議を開催しており、2015年10月には日本主催でWG会議が東京で行われた(総会は行われていない)。再生医療分野の標準化において鍵となる米国委員も多数参加しており、特にFDA(CBER)やNISTからも参加していた。米国は、再生医療のうち細胞治療関連、特に製造時の周辺機器や技術の標準化も必要だと考えている様子であり、本来医薬品として扱われる可能性の高い細胞治療に関してISOにおける標準化が可能な対象の明確化や、産業界及び規制におけるニーズを調査する必要性が生じている。
現在、非常に多くの案件が正式な標準化作業対象として登録されている(別リストを参照のこと)。
Last update 2017.03.27
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