TC 194の活動状況について(2016年)
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TC 194 “Biological evaluation of medical devices” (ISOのページへ)
1998年設立
議長:Mr. Albrecht Poth(ドイツ)、幹事国:ドイツ
参加国:日本、米国、ドイツ、英国、フランス、韓国等 (P-member 27ヶ国)
オブザーバー参加国(O-member) 21ヶ国)
国内審議団体:(一社)日本医療機器テクノロジー協会
発行IS:32、討議中文書:18
討議内容:
医用材料及び医療機器の安全性に関する生物学的評価方法(細胞毒性、変異原性、全身毒性等)に関する標準化を討議するTC。このTCで作成されている規格は、その番号から10993シリーズとして業界には知られており、WG
1で作成された基本的考え方に関する規格は国内通知にも引用されている。現存するWGは17、SCは1であり、そのSCで再生医療に使用する細胞のリスクマネジメントに関する規格が発行された。これまでに30の国際規格を作成している。
歴史的には、TC 150から安全性評価技術に関する部門が分離して設立された様子であるが、その当時の経緯についての詳細を知っているメンバーは少なくなっている。
以下に現存するSC及びWGを示す。
- WG 1 “Systematic approach to biological evaluation and terminology”
- WG 2 “Degradation aspects related to biological testing”
- WG 3 “Animal protection aspects” (convenorは日本人)
- WG 4 “Clinical investigations of medical devices in humans”
- WG 5 “Cytotoxicity”
- WG 6 “Mutagenicity, carcinogenicity and reproductive toxicity”
- WG 7 “Systemic toxicity”
- WG 8 “Irritation, sensitization”
- WG 9 “Effects on blood”
- WG 10 “Implantation”
- WG 11 “Allowable limits for leachable substances”
- WG 12 “Sample preparation and reference materials”
- WG 13 “Toxicokinetics”
- WG 14 “Material characterization”
- WG 15 “Strategic approach to biological assessment”
- WG 16 “Pyrogenicity”
- WG 17 “Nanomaterials”
- SC 1 “Tissue product safety” (別ページ参照)
各WGで作成、あるいは改訂中の文書をリストで示す。現在、数多くの文書が改訂作業中であり、今後、医療機器の生物学的安全性評価に大きな影響を及ぼすことが予想される。
2016年9月、米国東海岸のAnnapolisで総会が開催されたが、特筆すべき動きは以下の通りである。
- WG1:
昨年より改訂作業が進められていたPart 1のCDが事前回覧され、寄せられたコメントに対する処理が行われた。特に、基本的考え方のフローチャートと評価に必要となる情報の星取表の変更に対して多くのコメントが出され、その処理が2日間かけて行われた。それらの処理が反映された文書はDISとなり、現在DIS投票実施中である。
- WG 14:
Chemical Characterizationに関する文書の改訂作業が始まり、生物学的安全性における化学分析の位置づけが明確化されることが期待されていたが、現在CD投票中の文書では原材料に関する情報を全て収集できない場合に、抽出物等の化学分析を行うという趣旨の文書となっていた。原材料の情報を全て収集することは現実的でない一方、化学分析から添加物を含む原材料を全て同定することも現実的でないため、Scopeの修正も含めて内容の変更を求める予定である。
- WG 15:
WG 12が開催されなかったこともあるが、WG 6で提示された変異原性検出における現在の抽出法における限界を解決する目的で、抽出法改訂のためのTask ForceがWG 12 convenorをリーダーに結成された。改訂のためにround robin testを行うべくそのプロトコール作りが進んでいるが、現在提示されているプロトコールの素案は、化学分析の文書で提案されている代替溶媒の妥当性検出のためのものとなっており、本来提示された問題解決のためのものとはなっていない。日本からはそのような意見を出しているものの、テレカンに参加していないためか、あまり意見が反映されている様子はない。
2017年の総会は10月16日から韓国ソウルで開催される予定である。

Last update 2017.03.27
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