TC 194/SC 1の活動状況について(2020年)
(2019年、2018年、2017年、2016年、2015年、2014年の活動はそれぞれの年をクリックしてください)
TC 194/SC 1 “Tissue products safety” (ISOのページへ)
2004年設立
議長:空席、幹事国:ドイツ
参加国:P-member 14ヶ国
O-member 8ヶ国
国内審議団体:(一社)日本医療機器テクノロジー協会
発行IS:5、討議案件:2
作業範囲:
医療機器に使用する生物由来組織に関する標準化
設立経緯:
20世紀末からのBSE発生に伴い、反芻動物由来の医用材料、例えばコラーゲンやゼラチン等を使用するにあたっての規制が必要となった。日本では「生物由来原料基準」による規制が行われたが、欧州においては医療機器の規制にISOを利用しているため、その規制のために急遽ISOで関連規格を作成する必要が生じた。そこで、TC
194内に新たにその討議のためのSCが立ち上げられた。このような経緯もあり、当初の議長はFDAの医療機器部門に所属するメンバーが務めた。
TC 194においては、今後の討議対象を議論するWG 15において再生医療分野が議論対象となっていたが、今後の対応に関する議論が主であり標準化提案そのものは行われていなかった。TC
150/SC 7設立時、このTCとの混乱を防ぐ目的で再生医療製品の「安全性」を議論する場合はTC 194で行うことになっていたことは、TC 150/SC
7の項で説明した通りだが、TC 150/SC 7にドイツ代表が「細胞のリスクマネジメント」の標準化を提案してきたことから、当時のTC 150/SC
7議長とTC 194/SC 1議長との間で調整が行われ、2008年のベルリン会議でその討議の場がTC 194/SC 1に移された。この受け入れに伴い、当初、「死んだ」生物由来組織のみを対象としていた作業範囲が「生きた」組織、すなわち細胞等も対象となるよう、作業範囲が改定された。なお、TC
150/SC 7から移された提案はISO 13022として既に成立し発行されている。討議の際、科学的にも規制的にもコンセンサスを得るのが難しい幹細胞は対象から外され、一般的な終末分化細胞を対象とした標準となったが、世界的な再生医療実用化要望の高まりにより、2017年に予定されているこの規格の定期見直し時、幹細胞類も対象に含めるべく、改訂提案を行う国が出て来る懸念があった。結果的に、そのようなコメントは寄せられずこの標準はそのまま維持されることとなったが、別TCで幹細胞の標準化に関する提案を中国が模索しTC
276に球出しを行ったとの情報もあった。いずれにせよ、今後、細胞自体の標準化を目論む動きは避けられないと考えられるため、適切な方向性を関係者で事前に検討しておく必要がある。
2020年の状況:
TC 194/SC 1が見直し投票以外の活動を行っていなかったこともあり、ISO運営ルールを考慮したその継続の是非に関する投票が実施された。その結果、2020年にSC
1は正式に解散した。今後、SC 1で作成された以下の文書の見直し等については、TC 194本体が担当することになっている。
Last update 2021.03.30
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