TC 150/SC 7の活動状況について(2020年)
(2019年、2018年、2017年、2016年、2015年、2014年の活動はそれぞれの年をクリックしてください。)
TC 150/SC 7 “Tissue-engineered medical products”(ISOのページへ)
2007年設立
議長:Dr. Carolyn Yong (米国FDA)、幹事国:日本(日本工業標準調査会)
参加国:P-member 15ヶ国(デンマークがOメンバーから新たに参加)
O-member 8ヶ国
国内審議団体:
(一社)日本ファインセラミックス協会
作業範囲:
再生医療製品(機器)の一般的事項(用語や一般的要求事項)、有効性評価技術等(Cell Therapyは対象外)
設立経緯:
2001年に再生医療製品の一般的要求事項に関する標準化作りが採択され、オーストラリア人を議長とするWG 11が設立された。しかしながら、異なる各国規制を背景にした意見をまとめあげることができず、文書作成自体は不調のまま終了。再生医療分野の国際規格を求める声もありながら、その意見をまとめあげることができなかったのは、アクティビティが上がらなかったことが原因と判断し、日本からWGより新たな専門家が集まり易い分科委員会(SC)へとWG
11を拡大する提案が出された。その後、2度の投票を経て、2007年にSC 7が設立された。なお、討議対象に関しては再生医療製品に関する事柄全てとする方針があったが、一部メンバーから「再生医療製品の評価」=「生物学的評価」であるため、この件はTC
194で討議すべきとの意見が上がった。名称には「生物学的評価」とあるものの、実際にTC 194で討議されているのは医療機器の「安全性評価」のための生物学的評価であり、再生医療に用いる人工物(scaffold)への適用は可能だが、製品そのものの安全性・有効性評価とは異なっていた。しかしながら、その実状を理解させることは思いのほか難しかったため、折衷案として「生物学的安全性」に係る標準化はTC
194に任せることとし、TC 150/SC 7ではその他の事柄、例えば物理的安全性、用語、有効性評価技術等を対象とすることになった。2020年、再生医療機器に使用する細胞の安全性に関する文書を作成したTC 194/SC 1が解散したことから、その扱いまでも親TCであるTC 194が関与することとなったが、一方で当該文書はTC 276で扱うべきとの意見も散見されており、安全性の扱いについては未だ結論が出されていない状況である。
2020年の活動状況:
2020年より、9年超の間議長を務めていたFDA CDRHのDavid Kaplan博士が任期満了により退任し、新たにWG 1 convenorであったFDA
CBERのCarolyn Yong博士が新たな議長に就任した。これに伴い、Kaplan博士はWG 1 convenorとなり、引き続きSC 7の活動に関与することとなった。
設立当時から必要とされてきた本SCのumbrella documentとして、ようやく”General requirements of TEMPs”がTSとして2020年8月に発行された。今後は、当該TSをISとして仕上げることを目指した活動を進めることになるが、ひとまず、WG
1の活動は一区切りを迎えた。今後、取り扱うべきテーマについては “Scaffoldの一般的要求事項”が考えられているが、その点については現在Kaplan博士が検討を進めている。
WG 3においては、中国から提案された再生軟骨のMRIによる臨床評価技術に関するTR作成が進んでいたが、2019年のルンド総会において、ISO担当者から「要求事項が多々含まれているだけでなく、具体的な測定法が記載された文書であるため、「技術報告書」としての発行は認められず、目標をTS以上とすべきである」との指摘があった。そのため、再度、新規投票を実施し、2020年からはTSを目指した作業が開始されている。なお、討議はWeb形式のWG
3会議で実施されている。
その他、中国からLC/MSによるコラーゲンの純度測定方法、脱細胞化組織中に残存した細胞数を推定するための残存DNA測定方法が新規案件候補として提案されたこともあり、今後の活動方針を確認するため、10月にWeb形式で総会が行われた。その中で、両提案についてはSC
7で一旦引き取ることとし、pre-consultation実施後に投票へと進めることが決議された。Pre-consultationでいくつかコメントが出たことからdraftが修正され、2021年度早々に新規提案投票が実施される予定になっている。
SC 7におけるプロジェクトの現状は以下の通りである。
Last update 2021.03.30
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